第11章 【09】来てしもた・・・
二人して振り返ると そこには水色のジャージを着た二人組。
一人は背が高く眼鏡をかけた長髪の男の人、もう一人は小柄で赤髪の、おかっぱの男の子。
「忍足さん!」
彼らを見て 一瞬驚くも、「ちぃーっす」と挨拶をする桃ちゃんに続いて、僕も『こんにちは』とだけ。
「なんや 自分も関西人なん?」
『え? あ、はい』
この人 見たことあるなー と思って考えてたら、話しかけられてビックリした。
「ちょうど忍足さんの話をしてたとこっす」
「俺の話?」
「はい。蓮に教えてほしいって言われて」
「蓮?」
『あ、僕です。麻倉 蓮っていいます』
なかなか思い出せへんけど、初めましてかもしれんから 自己紹介をすると、その忍足さんも 何か考えてる顔になった。
「自分 忍足謙也って知っとる?」
『忍足謙也って 四天宝寺のですか?』
「そうそう。ゴールデンレトリバーみたいな」
『知ってますよ! むっちゃお世話になりましたもん!』
久々に聞く名前に 頬が緩むのも気にせず ニッコリ笑って応える。
けど、なんでこの人が謙くんのこと知ってるんやろう?
・ ・ ・ あ ! ! !
『もしかして 侑くん?!!』
もしかしての90%くらいは正解やと思うと 久々に会えたことや、知らない人だらけだと思っていたところに知り合いが居たことが嬉しくて、尻尾がついてたら 飛んでいきそうなくらい むっちゃ振ってる。
侑くんも「やっぱ そうか」ってニコニコ。
「おい 侑士! こいつ誰だ?」
今まで置いてけぼりだった おかっぱの男の子は、侑くんのジャージをツンツンと引っ張り、不思議そうにこちらを見ている。
「あぁ。蓮は大阪帰ったときに謙也と一緒に遊んだコやねん」