第10章 【08】やっぱ そうなるよね(遠目
桃ちゃんや英二先輩 河村先輩は「確かに・・」といった感じで、薫君と越前君は怪訝そうな顔、大石先輩は困り顔で、不二先輩は相変わらずニコニコ。乾先輩と手塚部長は・・・分からん。
『ね?ね? ほら。 僕なんか連れて行かんほうが良いですって!』
あと一押し! そう思って不参加の方へと促す。
・・・が、それを許してくれないのは後輩君。
「なんで そんなに行きたくないんすか?」
聞 か れ て し ま っ た !!!
『な、なんでって・・・』
「そんなにテニス部が嫌? テニスが嫌? なんで合宿に来たくないわけ?」
『それは・・・』
どう答えて良いのか分からず 視線を逸らし、考えていると誰かにポンッと肩を叩かれた。
ビックリして 横を見ると そこには相変わらずニコニコ顔の不二先輩。
「あんまり彼を責めないであげて。
彼なりに僕らのことを思って言ってくれたんだから」
ね? と振られ、とりあえず ここは同調しておこうと 首を縦に振る。
しかし
「他にも あんだろ?」
簡単に流してくれないのは 怪訝そうにしていたもう一人。
「練習前の溜め息の理由も関係してるのか?」
あぁ・・・なんて勘の鋭い人なんや。
横にいる不二先輩を見ると 変わらない表情で
「僕も聞きたいな」って。。。
なんとなくでも 分かってるくせに。
逃げ道と思われた人にも 道を塞がれ、仕方ない と一息つけば 本日02度目の腹をくくり 少しずつ話すことにした。
『練習前の溜め息は、今日は女の子が多いなぁ 思って。
僕 女の子苦手やから ちょっと嫌やなぁ 思ってしまいました。』
『合宿も ウチだけやったらまだしも、他校も一緒ってなると いっぱい迷惑かけてしまうかも って。
そしたら 僕 行く意味ないやないですか。
だから お断りしたいです。』
手塚部長の方を見ると 呆れたように溜め息をつかれ、フッと微笑まれた。
「そんなこと気にすることでもない。
失敗から学ぶことも沢山ある。
女子が苦手だと言うなら堀尾達も連れて行こう。
それで どうだろうか?」
駄々をこねたにも関わらず 優しく諭してくれる手塚部長に、僕は『よろしくお願いします』と応えるので精一杯やった。