第10章 【08】やっぱ そうなるよね(遠目
*****
体験入部二日目
昨日より女の子のギャラリーが多い。
今日は金曜日。
二日間会えない彼等を目に焼き付けようと、普段よりギャラリーが増えるらしい。
『はぁ・・・』
「どうした?」
女の子が苦手な僕は無意識のうちに溜息が洩れてたらしく、
近くにいた薫君に聞かれてしもた。
『いやっ!なんでもないよ!』
はははっと笑って誤魔化したものの 薫君は納得してない様子。
それでも 深入りはしてこず、
「あんま思い詰めんじゃねーぞ」
とだけ言って、ストレッチに向かった。
『僕もがんばろ!』
今日は僕もジャージやから、昨日カチロー君に教えてもらった仕事に加え、洗濯したり 部室の片付けをしたり。
中々良い働きをしてると思ってる!
一年生や同級生たちに いろいろ教えてもらいながら、和気あいあいと雑務をこなす。
「蓮! ちょっと洗濯機の方見てきてくんね?
俺ら干し場の準備すっから!」
『は〜い!』
部室の外にある洗濯機へと向かう。
すると後から数人の足音が聞こえた。
荒井君かな?とも思ったが そんな感じではない。
洗濯機は部室の壁沿いにはあるが、人気が少ない。
『はぁ・・・』
あ。また溜め息ついてしもた。
幸せ逃げてまうやん!
なんて、無理に思考を変えてみる。
が、そんな頑張りは意味を成さなかった。