第6章 【05】にゃんと楽しい休日でしょう
英二先輩と別れ 二人で歩いているが、会話は殆どない。
越前くんは元々お喋りなタイプちゃうんやろう。
僕は・・・墓穴掘らんように気ぃ遣ってしもてる。
あ〜・・・でも 気まずい。
何 喋ろ?
なんて考えていたら越前くんから「ねぇ」と声をかけられた。
「家 どこ?」
『家? まだもう少し先やけど・・・』
「ふ〜ん」
越前くんも気ぃ使ってくれてんやろか?
ここは話を広げな!
『越前くんは? 家どこなん?』
「寺」
『寺?!』
「そ。さっきあったでしょ」
『いやいやいやry! あったけども!
行きすぎてるやん! 明日も学校やし帰りぃや!』
ビックリして足を止め ワタワタしていると、はぁ と呆れたように溜息をつかれた。
なんやの。。
と理解出来ず 少しムッとしたが、不意に頭をぽんぽんとされ
「女の子を一人で帰らせるわけないじゃん」
と優しく微笑まれ 顔が赤くなるのを実感する。
『・・・ずるいわ///』
そう言うのが精一杯で 顔を見られまいと足を進めた。
後から小走りで来た越前くんは さり気なく手を繋いできて そっぽ向いた僕の顔は真っ赤に違いない。
心臓が痛いくらいドキドキとしていたが 久々に感じたその感覚はすぐに終わる。
『家 ここやねん。 ありがとう』
スッと手を離すが 温もりがなくなっただけで少し寂しくなる。
・・・・・が、僕は重大なことに気が付いてしまった。
『僕 男の子やからね!』
そう!!
久々に女の子扱いしてもろて ときめいてしもたけど 今は男の子として学校生活を送ってるんや!
ここはちゃんと訂正しとかないと!!
と思って 大事なことやから02回言うといたけど 越前くんはクスクスと笑うだけだった。
『なぁ!聞いてんの?! なぁ!』
「はいはいw 聞いてますよ 蓮先輩♪」
少し馬鹿にされてる感みたいなのはあるが これ以上のやり取りはキリがないからお終い!
『ほなね ありがとう』と再度礼を言って 家に入った。