第6章 【05】にゃんと楽しい休日でしょう
あれから03件くらい回って、今は良い感じのカフェで休憩中。
テラスの陰になってるところで、僕はカフェラテを、先輩はミルクティを飲んでる。
『英二先輩ってほんまによー知ってますね!』
「まぁねん♪
最近行けてない店もあったから、回れて良かったにゃ!」
あれだけあちこち回った後なのに、さすがテニス部。
疲れてるのは僕だけみたいで、英二先輩は見て回った動物たちのことを楽しそうに話していた。
「ねぇ」
楽しくお喋りしていると、沿道の方から声をかけられた。
誰かと思って見てみると、そこには僕も英二先輩もが知っている人がいた。
「あ、おちび!」
「ども・・・」
知ってる顔を見て嬉しそうに名前を呼ぶ英二先輩と そっけなく返す越前くん。
『越前くんも寄り道?』
思ったことをそのまま聞くと返ってきた声は相変わらずそっけなく「そんなとこっす」の一言。
でも表情は僕と英二先輩が一緒に居ることを不思議に思っているようだった。
『越前くんも一緒にどう?』
声をかけてくれたんやから 急いでいるわけでもないやろうし、一人で居るみたいやったから誘ってみた。
「いいんすか?」
「おちびなら大歓迎だよん♪」
ビックリ顔の越前くんに「早く 早く!」と急かす英二先輩。
ほんま元気やなぁ。
越前くんが空いている席に座ると、先程まで二人でペットショップ巡りをしていたこと、可愛い猫がいたこと等 たくさん話した。
英二先輩がwww
僕は相槌を打ったり ケラケラ笑ったり。
越前くんは・・・よく分からん。
その後、学校や部活での出来事やテニスのこと等 たくさん話し、気がつくと夕方になっていた。
『も〜こんな時間か。。。
すみませんが僕 そろそろ帰りますわ』
そう言って席を立つと「一緒に帰るにゃ!」と二人も合わせてくれた。
偶然にも皆 途中までは同じ方向やったから、またいっぱい喋って 笑って。
楽しい時間はあっという間や。
『僕 こっちなんで。
今日はありがとうございました』
別れ道で立ち止まり 挨拶をすると、笑顔で「また遊ぼうねん♪」と手を振ってくれる英二先輩。
その隣にいる越前くんは何かを考える表情をしていたが、決断したかのようにパッと顔を上げ、「俺も今日はこっちなんで」と英二先輩に挨拶をしていた。