第6章 その6.深入りしてはいけません
「大野さん!」
二宮先輩が少し離れた大野さんに声をかける。
すると、二宮先輩に気づいた柚希さんの顔がパアッと向日葵のように明るくなる。
「和也くん!」
そう言って小走りで二宮先輩の元へ駆け寄る柚希さん。なんて可愛いんだ。やっぱり先輩の言う通り、私はミジンコなのかもしれない。
「ん、久しぶり、柚希。」
「うん!また格好良くなってる~!」
キャハハ、と可愛く笑う柚希さん。
「うん、知ってる。」
「あはは、相変わらず!」
先輩も柚希さんと仲よしなんだ。
あれ、なんだろう。そんなバカな。
少しだけ、寂しい。