第6章 その6.深入りしてはいけません
柚希さんが隣にいる私の存在に気付いた。
「…こちらは?」
「あ、私は」
「ミジンコです。」
「ちょっと、二宮先輩、失礼な。」
「、ミジンコなの?」
柚希さんの後ろから大野さんがピョコっと顔を出す。
お、大野さんまで。失礼しちゃいます。
「、なんか、忙しそう。
ミジンコになったり俺のぬいぐるみになったり。」
「…ぬいぐるみ?」
柚希さんが首をかしげて大野さんに言った。
「大野さんの、ぬいぐるみって何。」
先輩もまるで柚希さんのモノマネをするように、首をわざとかしげて私に聞く。
「物の例えをまんまと信じないで下さい、大野さん。」
「ふふ、」
大野さんがイタズラっぽい顔をして笑った。
そんな顔されたら、なんでも許しちゃいます、私。