第6章 その6.深入りしてはいけません
「うん、は大丈夫、」
大野さんはそう言って、少しだけ笑うと、まだ重たそうな腰を上げ、二宮先輩の肩をポンと叩いた。
「…じゃ、二ノ、後よろしくね。」
「え、フケんの?」
「うん、今日月曜だから。」
「あー…はいはい、柚希によろしくね。」
「ふふ…思ってないくせに、」
また大野さんが二宮先輩に乾いたような悲しい笑いか方をして席を立った。
大野さんが目の前から居なくなると、二宮先輩が小さな声で呟いた。
「なあんだ、わかってんのか。」
ゆずさんは柚希さんだということがわかった。
先輩も柚希さんとお知り合いだということもわかった。
大野さんと柚希さんは
一体どんな関係なんだろう。