• テキストサイズ

片思いの終わらせ方

第6章 その6.深入りしてはいけません










「、気になるんでしょ。」



わざと知らないフリして黙々とお弁当を食べる私に、二宮先輩が上目使いで聞く。




「…あ、いや。」




またひとつ、お弁当の中身を取って口に入れようとする。




「二宮先輩、気になってますよ、この子。マヨネーズの容器を口に入れようとしてるくらい。」



有稀に言われて自分のお箸の先にある物を見た。マヨネーズを入れたケースを器用にお箸で持ち上げている。…何やってんだ。






私が自分に呆れていると、相葉さんが身を乗り出した。




「ねえ、二ノ、ゆずって誰?」



わ、私が聞きたくても聞けないことを…。
グッジョブ、相葉さん。





相葉さんが聞いたのに、なぜか、私の方をチラッと見て二宮先輩が口を開く。




「大野さんが離れなれない人。」

「………」



私にはそんなんじゃない、って言っていたけれど、やっぱり柚希さんは大野さんの大切な人なんだ。




彼女?と松本さんが聞く。



「いや、知らない。あの人俺にそんなこと言わないもん。」




やっぱり、そうなんだ。





「…でもまあ、もし仮に彼女だとして、会いに行くのにあんな憂鬱そうな顔しますかね?」





二宮先輩が何か言いたそうに、また私を見る。
何が言いたいのか全くわからない。









「、大野さん疲れてるよ。追いかけないの?」

「え、」

「あなたが元気にするんでしょ?」





今日の二宮先輩は意味がわからない。
だけど…沢山答えをくれてる、気がする。


私は一度下を向いて考えた。







「……先輩、ちょっと行ってきます。」

「はい、頑張って。」



先輩は私に小さく手を振った。









/ 170ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp