第6章 その6.深入りしてはいけません
慌ててお弁当箱を袋から取り出す私に、左手でお箸を持ち、モグモグする二宮先輩が質問した。
「いっつも弁当なの?」
「あ、はい。たまに学食です。」
「へえ、意外。」
意外ってなんですか、先輩。
「有稀さんはお弁当作んないのー?」
「作りません、だから作ってきて、とかいうシチュエーションを求めないでくださいね、相葉さん。」
「え、なんでわかったの!」
「有稀ちゃんの弁当とか、・・・全部辛そう、赤そう。」
「先輩には特別に作ってきますね、その赤い弁当。」
「あなたって、ホント・・・。」
「何!なんで!なんでニノだけなのー!」
「うっせえ、相葉さん。」
「翔ちゃん、松潤がこあい。」
「うん、相葉くんが悪いよ?」
「ごめんなさーい。」
素直すぎやしませんか、相葉さん。