• テキストサイズ

片思いの終わらせ方

第5章 その5.毎度傷ついてはいけません











「…はあ、」

「そんなに気になるなら聞けばいいじゃん。」




有稀はまるで息をするくらい当たり前のように言った。





「……勇気が…ない、」

「どういう関係なのかわからなきゃ、動きたくても動けないでしょ。は大野さんを幸せにしたいんでしょ?」







・・・そうです、有稀さん。


私、大野さんが辛そうなのは嫌です。
またあの笑顔で笑ってほしいんです。




それは私に向けられた笑顔じゃなくても
大野さんが悲しいのは嫌なんです。





大野さんに相手がいるのは何となくわかっていたことなのに、自分の目でそれを確認した瞬間、頭が真っ白になって、そんな大切なことも忘れていた。



そうだ、大野さんの辛い恋を、私が明るい恋に変えるんだ。







「…有稀、ありがとう…!私の取り柄は忘れっぽくてポジティブなところだったのに、それすらもすっかり忘れてた!」

「うん、だから可愛いんだよね。」




有稀が笑って私の頭をポンポンと撫でる。
有稀に触れられるとなぜか、やる気が溢れてくる。






「有稀さん、大好き。ちょっとだけ待ってて。」

「…はいはい、頑張ってきなさい。」






食べかけのポテトを残して、席を立つ。

今行かずにはいられなかった。







/ 170ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp