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片思いの終わらせ方
第1章 その1.目で追いかけてはいけません
大野さん、と呼ばれたその人は無表情で私のそばに寄ってきて、両手いっぱいに抱えたパンを無言で勝手に奪っていく。
「あ、あの(私のパンたち…)」
「…いい」
「え?」
ボソッと話す言葉が気になってつい聞き返してしまった。
「センス、」
「せ、せんす?」
「パンの好み。」
なぜかパンを抱えた満足そうな「大野さん」は不思議な人だった。
呆気にとられていると、いつの間にかその「素敵な人」と「大野さん」は購買のレジに並んで、私のパンを全て購入していた。
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