第4章 その4.その人に逆らってはいけません
視線を上げて目が合うと、大野さんは口元を少しだけ緩ませた。私の手の上にはアロエヨーグルト。
「な、なぜ・・・(アロエヨーグルト・・・?)」
「気分。なんかあげたくなった。」
「あ、ありがとうございます。」
「今、はまってんの、ヨーグルト。」
「パンより、ですか?」
「いや、うん、あ、どっちだろう。」
「あはははは」
「おい、」
そう言って私の首を絞める二宮先輩。
「・・・先輩、私まだ死にたくありません。」
「面白くない、」
「は、い?」
何言ってんですか、先輩。
「ぜっんぜん、面白くない。
何勝手に二人だけ楽しそうなの。
俺も混ぜるのです。」
子供みたいなことを言う先輩。
休む暇もなくまた口を開く。
「大体、1人で行動するなんて生意気ですよ!きちんと先輩にと報告相談連絡するのです!ホウレンソウなんです!」
あの、あなた今凄いジャイアン的な発言しているのわかってます?ジャイアンなんて可愛いくらいニノミヤイズムきかせてるの、わかってます?
「先輩、どれだけ自己中なんですか・・・。」
「え、しょうがないよ。世界が俺中心で回ってんだから。」
真顔で私の首を絞めたまま「何言ってんの、」と言う顔をする二宮先輩。確かに、黙ってれば世界はあなた中心で回りそうなくらい輝いてます。ほら、今もまた、この首に回された腕がなければ。
「…二宮先輩、あなたって一体…。」