第3章 その3.素直に信じてはいけません
「あっれー、ちゃん、
私を待ち伏せですかあー?」
相葉さんの後ろからニヤニヤする二宮先輩が両手をポケットに突っ込んだまま近づいてくる。
・・・に、二宮先輩。
私の昨日まで好きだった人、今日からは敵である。
ちくしょう、むかつくけど格好良いな今日も。
だめだめ、私、
大野さんに言われたの、自分を大切にしなきゃ。
「私、昨日から二宮先輩
アウトオブ眼中(死語)なんで。」
と先輩の前に手を出し、ストップの形をして、これ以上近づくなのサインを出した。
「むっ、何それ。俺のこと好きなんじゃないの?」
「昨日までです、今日からは違います。」
「のくせにくそ、生意気。
なんかムカつく。」
「あ!本性出しましたね。
この猫かぶりの女好き!
だなんて
呼び捨てにしないでください。」