第3章 その3.素直に信じてはいけません
「ああ?なんなのアイツ。
やっぱりそういうヤツだったのか。
ただじゃおかねえ、ヤってくる。」
有稀さん、
ヤってくるのヤが怖い文字しか想像できません。
「有稀!いいの!落ち着いて!
私もね、くそムカつくほど先輩のこと
マジぶん殴ってやりたいけど!」
「、珍しく言葉が汚い。」
「うん、もうこんなこと言ってないと
気がおさまらないからね。
とにかく、もう大丈夫なの。
私には救世主様がいるのだ!」
また有稀の冷たい視線。
「救世主さま、って寒くない?
のだ、ってキツくない?」
「・・・ごめん。有稀さん失恋後もキツいのね。」
「あ、てか誰なの、その救世主って。」
「え?ああ、そろそろ来る時間じゃないのかな。」
ラウンジの入口付近をうふふ、と言いながら見つめる。
「あ、お出ましです。」
有稀が私の視線の先を見る。いつもの5人が話したり、あくびをしたりとダラダラ歩く姿。
「は?だから二宮先輩じゃん。」