第2章 その2.勘違いしてはいけません
「大野さん、こんにちは。」
櫻井さんの隣にいる大野さんに声をかける。私達の会話に興味無さそうにあくびをする大野さん。その顔は今日もまた眠そうです。
「……」
む、無視。
と思ったらボソッと私に呟いた。
「ニノ、裏のベンチにいるよ。」
姿を思っただけで気持ちが
フワッと暖かくなるのがわかった。
隣にいる有稀の方に体を向けて、
全身チェックをしてもらう。
「ゆ、有稀。私…大丈夫かな、」
自分でも、緊張しているのがわかる。うまく笑えない。有稀が私の緊張をほぐすように微笑んだ。
「うん、今日も可愛い。」
「ほ、ほんと?…い、行ってくるね。」
「はい、行ってらっしゃい。」
有稀が頭をポンポンと触ってくれたおかげで、気持ちは楽になし、よし、と気合を入れ二宮先輩のもとへ向かった。