第9章 その9.自分だけ、ではいけません
「あ?…二宮じゃん。」
先輩、こんな輩(やから)とお知り合いなんすか。私のことガン無視したやつらですよ!ボコボコにしてやってくださいよ!
「……、」
二宮先輩が私の顔を見て黙る。
え、なに、何ですか。
「お前、顔ヤバイよ。」
て、うるさいわ!いちいちいらない!
それならガン無視の方がましだ。
「お前のって、どっち。」と輩達が二宮先輩に尋ねる。
どっち、って…。私も入ってる、んですか?
二宮先輩を見ると、
急に視線が合って私の心臓が激しく動く。
や、え、なに、これ、
「どっちって、わかるでしょ?」
二宮先輩の視線が私から離れない。
ちが、期待とか、そんなんじゃなくて、
止まれ私の心臓、止まれ止まれとま
「ああ、こっちのボブちゃんね。」
「うん、柚希こっちおいで。」
「はあい、」
て何の茶番だこれ。