第8章 その8.落ち込むだけではいけません
「……関わりたいんです。」
「だからなん「好きなんです、」
珈琲の薫りが漂う、2人きりの空間で豆を引く大野さんの手が止まる。下に向けられた大野さんの視線がゆっくり私へと向けられると、恥ずかしいと言うよりも、やっぱり好きだと再確認してしまった。
「大野さんのことが好きだから、私、一緒にいたいんです。彼女だとか、そういうんじゃなくても、傍にいたいんです。」
「………、」
「…あ、や、でも出来れば彼女になりたいし、いやでもそれはそれで、私の心臓がもたないというか…」
「はい、ホットミルク。」
「…え、あれ…なかったって…」
「特別。」
「…………。」
「にやけないの、」
「……ふ、ふふふ、」
「……(笑い方どうにかならないかな)」
大野さんの言う、特別だとかに弱いんです。