第7章 その7.鵜呑みにしてはいけません
「…有稀、ありがとう。こんな意味のわからない味を選ぼうとしている自暴自棄モードの私に、一刀両断の言葉をかけてくれて、ありがとう。」
私はお会計に行くはずだった新作の「カスタード&マスタード」を売り場に戻した。
「ううん、いいの。それ目の前で食べられて、カスタードとマスタードの合いまった香りを嗅ぎながら、楽しみの昼食を食べる私が可哀想で…。全部自分のためよ。」
なんて、涼やかな声で目を細める。
「有稀、私先輩に言ってみる。
今のこのどうしていいか、わからない状況。」
「うん、先輩なら答えくれるから。」
有稀は綺麗な顔で、フンワリ笑った。