第7章 その7.鵜呑みにしてはいけません
「、」
「うん?」
「私、大野さんのこと、素敵な人だと思う、」
え、まさか有稀も大野さんのこと……
有稀が私の顔を見て、一度深いため息をつくと、呆れた顔をした。
「ないから、あんたが今考えてるようなことは、ないから。」
「え?あ?………よ、よかったです。」
「じゃなくて、先輩頼ってもいいんじゃない?」
「先輩?………ええ?二宮先輩!?」
有稀がうん、と頷いた。
なんでよ、有稀さん。
出来れば先輩には関わりたくない、みたいな顔してたあなたが何故先輩を信頼し始めてるの!
「二宮先輩はのこと、一生懸命考えてくれると思ってるから、私。」
有稀の言葉になんだか胸がジーンとした。私のことを心配してくれているのが伝わる。