第7章 その7.鵜呑みにしてはいけません
「てことで、先輩。」
「どういうことだよ。」
携帯で連絡してみると、先輩は案外アッサリと来てくれて驚いた。前はこっちがかけても、デートに忙しくて、なかなか繋がらない人だったのに。
「……先輩もしかして、モテなくなりました?」
私が不安げに尋ねると
「は、なんでよ。今日も相変わらず格好いいでしょうよ。」
といつもの調子で答える先輩。
「…まあ、そうですけど。」
「お願いだから、否定しなさいよ、ぼけ。」
二宮先輩の白い肌が段々赤く染まってピンクになる。
「ちょっと、なんですか、その面白い反応!」
いつもの自信満々な先輩が、急に誉めると照れる姿に笑ってしまった。
「うるさい、で、何。あなたのせいで友加里ちゃんとのデートすっぽかしてきたんだからね。退屈させたら、代わりにヤるからね。」
「さ、最低だな先輩。」
「で?元気ないのは何でなの。」
二宮先輩が、急に真面目な目をして下から私を上目遣いで見る。