第6章 その6.深入りしてはいけません
「ふふっ、ちゃんて、ほんとおかしい。」
「ゆ、柚希ちゃんまで…」
「あ、ごめんね!ちゃん、…また、会える?」
「う、うん。」
「ほんと!?嬉しい!じゃあ連絡先教えて…?」
「あ、はい。」
「やった、じゃあ、また連絡するから。」
「うん!」
「……」
「ゆず、そろそろ行こう。おばさん待ってるでしょ。」
「…あ、そうだった、ごめんねちゃん、和也くん、また今度。」
そう言って笑う柚希ちゃんは、誰もが守ってあげたくなるような、柔らかい雰囲気があって、本当に大野さんとお似合いだった。
二人の後ろ姿を見て、ギュッ胸が締め付けられた。まっすぐ向いたまま、先輩に話しかける。