第6章 その6.深入りしてはいけません
「智と仲よしなんだね。」
フンワリ笑う柚希さんが私と大野さんを仲よしだと言った。そう、見えるんですか…?
「な、仲よし…?」
やだ、仲よし?…う、嬉しい…嬉しくて熱い。
「柚希、こいつ大野さんからいつもエサ貰ってるから、なついてるだけだよ。」
「うん、そう。パンばっかあげてたらなつかれた。」
「パン?」
「あ、そうなんです、私大食いだから…って人を動物みたいに言わないで下さい。」
二人に勢いよく突っ込むと、
柚希さんがあはははは、とお花のような笑顔で笑った。
「面白いね、…ちゃん?」
そう言って私に向けてくれた笑顔は凄く眩しくて、やっぱり柚希さん可愛くて。
「あ、はい!です、始めまして、柚希さん。」
「あ、柚希でいいよ?」
え、いやそんな、
私が柚希さんに躊躇っていると、大野さんが補足してくれた。
「ゆず、と同じ年だよ。俺らの1個下。」
「えっ、嘘…見えない…美人…可愛い…」
「だから自分と比べるなっつーの。」
うるさいです先輩。