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灰色の人間

第12章 『本性』






私は動き回る月山に狙いをなかなか定める事が出来ずに歯噛みしていた。





ガンッ





「カハッ…!」

「「トーカちゃん!」」




私は吹き飛ばされるトーカちゃんの後ろに周り込み、受け止めた。、



「っ、大丈夫?!」

「ぅ、ああ」



顔をしかめながら言うトーカちゃんの言葉は全く信用ならない。


その直後、私は咄嗟のことに印を解いてしまった事を後悔した。




「ぐっ、カハッ…!」
(く、そ…!貴未!!)




トーカちゃんから喰らった傷を癒す為に金木へとか言ってた貴未さんを食べようとした。
そんな月山の足に西尾先輩がへばり付いていたが赫子に貫かれた。




「っ、オン サラバサリジ バサラダンカン。

臨める兵 闘う者 その陣破りて前に在り。」




ガガガガガ


月山めがけて私は刀印を振りかざした。




「くっ…!これはっ!?」
(一体何なんだこの力は!?)





ガク…





技を放ったと同時に私も床に膝をついた…。
出血のしすぎだ。


(ヤバイ…目が霞む……、)







視界が狭まっていく中、私は近くにいるトーカちゃんを呼んだ。

このまま、倒れたら確実にここにいる人は月山に殺される。
私の攻撃は一撃必殺でなければ意味がない。
なぜなら赫子での攻撃ではないから傷が回復しやすいんだ。






あれで殺れなかったなら後はなかった

1人のちからじゃどうにもならない

いつもそうだ…気づいたと思ったら遅いんだ

バカな私はそれを繰り返してしまう




ーーー嫌気がさす。








「トーカちゃんなら本気出せれば勝てる?」

「ああ」
(だけど今は…。チッ流石に肉食わなさすぎた)



その言葉を聞けて安心だ。


私はある提案をする。













………私の肉を食べて………

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