第11章 『レストラン』
私達はその格好のまんま月山が外まで案内してくれた。
「今日のことはすまなかったね。…まあ忘れてくれ。」
(あぁ、金木君っ!君を他のやつに喰わせるものか…僕が全部食べるよ!!)
「…。」
(取り敢えず返してもらえるようだ。…よかった)
「…忘れろって?
…いいよ、忘れてあげても。でも代わりに…」
(こいつは危険すぎ。私の私生活にも影響してきそう。ここで始末しておきたいけど、きっと今は無理だろうな)
私は今は殺さないとし、代わりに小刀を再度出現させて月山の首筋に押し当てた。
「次はないですよ?
もし、私の周りに手を出したならその時は全力であなたを潰す」
(今回だけ、助けられた形だから命は残す。)
そう言って首を切り裂くように手首を動かすと同時に小刀を消した。
「ウイ、心にとどめておくとしよう。」
(君も普通の人間ではないことはわかってるんだ!…この力も、サンドイッチの時のことも。
ククク、あぁ君たちを食すのが楽しみだよ。
一体どんな味なのか!!!)
そう言ったのを確認してから私達は家へと向かった。
私達の背中を舌舐めずりしながら見つめているなんてことを考えずに。
確実に美食家に目をつけられたというのに。