第11章 『レストラン』
私達が通された部屋は真ん中にテーブル、鉄板が用意されているだけの部屋だった。
しかも、部屋の大きさと天井の高さが釣り合わない。
それに窓もなければ…
ガチャン
重厚な扉の鍵を閉められた。
ここに来て完全に怪しさは確信へと変わった。
「ちょっとぉ、何なの?あんだけ待たせといて…」
音がした扉に女性が近づき開こうと試みるが
ガチャガチャ…
開くわけもない。
「ちょっと…どういうこと?鍵がかかってるわよ………」
その言葉でこの部屋の不気味さが際立った。
私はここまでの一連の道のりを頭に浮かべた。
シャワーを浴びさされ、待合室で待たされ、窓も扉も無い長い廊下を歩かされ、この部屋にいる。
・・・窓も無い廊下。
「「…逃げないように」」
ボソッと呟いた言葉が私と金木とで被った。
同じことを考えてたみたいだ。
「金木君もそう思うんだね?」
「うん。どう考えても変だ」
(一体何が起きるんだ…)
私達がそう考えてると先程の小柄な男性が大きな声をだした。
「そうだ!こやはハプニングレストランというやつか!!
店の催しのようなものか!」
その言葉を聞いた女性は「え?そうなの?」といった顔をしてるが私達はそんな楽観的なことは思えなかった。