第11章 『レストラン』
長居する理由もないのでさっさと洗ってドレスに着替えた。
ドレスはペールブルーに緑みがかっているもので透明感のあるエメラルドグリーンといった色合い、そして丈は膝ぐらいのものだった。
「何気に好きな色だw」
(3着サイズ違いで渡されたけど一目見ただけでよくサイズ絞れたもんだ)
私は呑気なことを思いながらシャワー室から出て広間的な所に案内された。
そこには既にスーツに身を包んだ金木もいた。
「お、似合ってるよ」
「陽菜ちゃんこそね」
そう立ち話していると小柄な男性がこちらに声をかけてきた。
「今日は君たちもこのレストランに食事しにきたのかい?」
「はい、知り合いの紹介で」
(あれ?この人は人間だ)
「そうなんだ。それにしても君たち若いな」
「僕達、学生です」
「学生でこんな店を知ってるのか!
私もここのことは最近知ったばかりなのに。
あ、私はグルメ雑誌の編集者なんだ。この辺りの美味い店は食べたつもりだったんだけどね」
そう言って頭に手を当てて「ははは」と笑っている。
そして、まだ待たないといけないようなのでここに用意されているコーヒーとクッキーを食べてディナーを待とうということになった。