【ぬらりひょんの孫】兵庫伝説〜義賊さんと姫路城の姫〜
第2章 姫路城の姫
そうして江戸から姫路へと立った男たちは、道すがら、刑部姫について聞いて回っていた。
「…まあ、単なる噂だからなぁ…本当に刑部姫なんていう姫が城にいるかどうかなんて、城の殿様にしかわかんねぇぜ?」
「なんでも狐の妖とか…すっげぇ美人らしいけどな!」
こうして聞いて回ってみて分かったこと。
それは、刑部姫はヒトではないということ。
そして城だけでなく、全ての未来を見ることが出来るということだ。
「全ての未来が見えるってことは、俺たちが盗みに入るってのも既にバレてるかもなぁ」
清助はふうっ…と息を吐いた。
「…たとえバレていたとしても、失敗するような俺たちじゃねーだろ?」
男はニヤリと笑って二人の顔を見た。