ブラックラブ!after and another story
第1章 想いよ、永遠となれ。 氷室辰也ver
その後、私は眠気に負けてまた寝てしまった。
そのとき夢をみた。
暗闇で一人私が泣いている夢。
悲しくて寂しくて絶望という中、手がさしのべられた。
「おいで」
その声がー・・・
あなたでした。氷室さん。
あの時、私はあなたに恋をしました。
確かにしたんです。
私が日向先輩のことが好きと勘違いされて嫌だった。
私があなたのことをなんともないと思っていると思われて、嫌だった。
私があなたを好きだと気づけるまでの時間が、今じゃすごく嫌だ。もっと早く気づいていれば、あなたを悲しませないですんだのに・・・。
氷室「さ、。箱、開けてみて」
チョコの箱を開けるとカカオの香りが一気にふわっと漂った。ハートのチョコも入ってる。
「可愛い」
氷室「気に入った?」
「はい!すごく!・・・えっと、じゃ、じゃぁ。いただきます!」
氷室「召し上がれ」
一口食べるとチョコが自然ととろけて・・・。
「おい・・・しい・・・っ!」
氷室「涙目だぞ笑」
「だって感動しちゃって・・・。」
氷室「アハハ らしいな」
美味しいのもそうだが、嬉しい。
好きな人からもらうものって、こんなに嬉しいんだ。
氷室「俺にもひとつくれないか。食べたい」
「あ、どうぞ」
氷室さんは箱からチョコを1つ取り、口に頬リこんだ。
氷室「うん。美味しい」
「ですよね!」
氷室「でもとっても悲しい味だ」
「・・・え?」
なに言い出すんですか氷室さん・・・。
彼の顔を見ると、目が潤んでいた。
これは私の感動とかの涙じゃない。悲しい涙だ。
氷室「知ってるか?チョコって、失恋の味なんだよ」
「・・・何が言いたいんですか?」
氷室「・・・振るなら、はやく振ってほしい。ってこと」