ブラックラブ!after and another story
第1章 想いよ、永遠となれ。 氷室辰也ver
「なっ・・・」
氷室「14日まで待てだなんて俺には酷過ぎる。もう結果が見えているのに、待てだなんて・・・!」
氷室さん、まだ私が日向先輩のことが好きと思ってるんじゃ・・・。
氷室「頼む。俺を振ってくれ」
「・・・やです。」
氷室「」
「嫌です・・・!!」
氷室「俺をこれ以上苦しませないでくれよ!!」
急に大声で言われて息をのんだ。
氷室さんの目からはぽろぽろと滴が落ちていた。
泣きながら笑う氷室さん。
氷室「なぁ。言ってくれ」
・・・私は・・・。
「私は・・・」
氷室さんがぎゅっと目を瞑った。
そしてー・・・
氷室「―――――・・・!?」
私は、唇にキスをした。
優しく、静かに。
あなたが私を包んでくれたように。
氷室「なん、で・・・。」
「・・・失恋の味なんかじゃありません。」
氷室「え・・・?」
「・・・初恋の味ですよ」
そう私が微笑むと氷室さんの目から大粒の涙がぼろっと溢れ出た。もうポーカーフェイスもなにもない。
氷室さんは椅子から立ち上がり、私の腕をひいて抱きしめた。
氷室「ありがとう、ありがとう・・・。ありがとう・・・!」
「氷室さん、苦しっ・・・」
そう言うとぱっと腕を放す。
氷室「ご、ごめ・・・。っていうか、なんで俺なんだ?だっては・・・」
「私が好きなのは氷室さんです。他にいません」
氷室「・・・!俺、幸せだよ。世界で一番。」
「氷室さん・・・」
氷室さんの嬉しそうな声と笑顔で私まで嬉しくなった。
氷室「あぁっ・・・初めてを抱きしめたよ」
「え、それは違います!!氷室さん何回も私のこと抱きしめてましたよ!?」
すると氷室さんはフフッと笑い私を見つめた。
ゆっくりと彼の手が私の顎を優しく掴み、もちあげた。
氷室「違う。これが初めてだよ。
お互いが愛し合ってから、抱きしめるのはねー・・・。」
そして私達は
初めてのキスをした。