ブラックラブ!after and another story
第3章 想いよ、永遠となれ。 伊月ver
「伊月さん」
私は黙って、チョコの入った箱をだした。
伊月「…え?」
「…受け取ってください」
伊月「これって…や、でも…」
「私は、伊月さんがそんな人だとは思いません。臆病で強欲?ちがいます。伊月さんはただ…
寂しくて、温かくて、ていねいな、繊細な人」
そう。あなたはいつも自分より、相手のことを想う人。
ずっと前から、知ってるよ。
「伊月さんがそれを否定したとしても、私はそういう人だって思い続けますし、もし臆病で強欲なのが伊月さんだとしても…
好きですよ、伊月さん。あなたが好きです」
伊月「…」
伊月さんは泣きもせず、笑いもせず、たあただ、驚いていた。そして、少し下を向いてから、小さくこう言った。
伊月「…今、君を抱きしめても…いい?」
「…どうぞ」
伊月さんが立ち上がるとゴトッとロープウェーが揺れる。向えに座っている私の隣に座り、横からそっと優しく抱きしめた。抱きしめた腕が震えている。あぁ、伊月さん。
伊月「…!!」
「いいですよ。我慢しなくても。私の前では甘えていいんです。どんな伊月さんでも、私は、愛してますから…」
私は後ろから腕を伸ばして、伊月さんの頭を撫でた。すると彼の瞳から、大粒の涙。
伊月「…!俺も好きだ。愛してる…」
彼は力をこめ、私をぎゅっと抱きしめた。
私は伊月さんが泣き止むまで、ずっと頭を撫で続けた。