ブラックラブ!after and another story
第3章 想いよ、永遠となれ。 伊月ver
一瞬気まずくはなったものの、伊月さんは話し上手聞き上手で、私達はそこからずっとお喋りを楽しんだ。
時間はあっという間にすぎ、気がつくと帰りに乗るロープウェーの最終時刻となっていた。
伊月「おお、もうこんな時間だ」
周りをみわたしたら、もう人は少なかった。
筋肉質な人ばかり。きっと帰りはスキーとかで降りていくのだろう。
伊月「じゃ、お開きにするか」
「…そうですね」
そう言って私達は席をたち、ロープウェーへ乗り場へと向かった。
もっと、お話したかったなぁ…。
あ…そういえば私、チョコ持ってきたのに渡してない!?…なにやってんだか…。これは明日に見通しですかね。
なんて思ってると、ロープウェー乗り場にもう着いていた。周りには人もいなく、列もない。
伊月「俺ら二人だけだな」
「そうみたいですね」
そう言って私達はロープウェーに乗った。
ロープウェーはゆっくり、ゆっくりと降りていく。まるで時が止まったかのように感じられた。
…もしかしたら、これがチャンスなのかもしれない。二人っきり、誰もいない。ここでチョコを渡せば…きっと…。
「あ、あの」
伊月「俺さ」
私が言い出す前に、伊月さんの声が先にでた。
伊月さんの顔を覗くと、真剣でなんだか深刻そうな表情で。私は何も言わず、伊月さんの言葉を聞いた。
伊月「俺さ…
やっぱ、弱虫なんだ。」