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sky memory

第3章 記憶の断片、笑顔の破片 金城白子 現代(学生時代有)切


相変わらず対照的な彼ら、一人は笑顔を作り一人は仏頂面で、そんな友人を見ていたら少しだけ気が楽になった
気持ちも落ち着いて先のことを考える気になれた
それで思いつく、もう一度もう一度あいつと話し合ってみようと
悪い夢から覚めた、それに良い夢にも浸っていた気がするから

「白子。倒れたから吃驚したぞー。けど目覚めて良かった」

「具合は、どうだ」

二人には、かなり迷惑をかけていたらしい
心配もさせたし謝罪しなければと思いベッドから出た
そうすれば天火が少し言いづらそうにして口を開く
蒼世は目を瞑って静かに聞き入っていた

「まさか…な。まさか白子…吃驚しただろ。傷を抉るようなことはしたくねーが…


琉璃ちゃんが



死んだなんてよ」


一気に部屋の空気は重くなる
そんな空気は俺たちの心を一気に集めたような形になって呑み込んでいく
俺は信じられなかった、どうしても、どうしても
聞き間違えだろうと笑った
笑うしかなかった
それしか出来ない
皆が俺に嘘をついている
最近はネタにすることまで酷くなったものだと

「あははは。天火…何言ってるんだよ。本当、冗談が過ぎるぞ」

今日は季節外れのエイプリルフールか何かか
それにしても皆暗い顔をし過ぎて笑っていられなくなりそうだ
どうして皆、笑わないのだろう
俺だけ孤立してるみたいだ
膝を実際に強く抓ってみると、やはり痛いし夢ではない
沈黙が続く
それを断ち切らせたのは天火だった
手には一つの手紙を持ち俺に差し出しているようだ

「これ、琉璃ちゃんがお前宛に書いたらしい。今、読めるか?」

苦笑して俺の手へと渡った可愛らしい封筒
まさに女子高校生が使いそうな柄で気恥ずかしくなる
彼女らしい黄色がベースで白い花が描かれたもの
裏を見ると綺麗で可愛らしい字で俺の名前と彼女の名前が書かれている
これは本物の琉璃の字だった
しかし今更、手紙とは何だろうかメールで済ませられない重大な用事なのか

「ありがとう。天火…後で読んでみるよ。それからお見舞いに来てくれてありがとう。天火、蒼世」

手紙を握り締めている、その手は震えていたか
何なのかもう覚えていない
だけど伝わるんだ、これは開けてはいけないと
自身の心がそう言っている

「じゃ、また来るからな」

「今日は安静にしていろ」

二人はそう言って部屋を出た
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