第1章 入学式
『ここが秀徳高校かぁ…』
私はこの春から名門高校「秀徳高校」に通う事になった。
理由は二つある。一つ目は、家が近いから。
二つ目は…
『確か、秀徳高校ってバスケが強い事で有名だよね。』
雑誌で何度か見たことがあった。
『絶対、マネージャーになるんだから!』
私は、期待を胸に秀徳高校に足を踏み入れた。
『人多すぎぃ~…』
体育館に入ると、新入生や先生で溢れ返っていた。
人混みを掻き分け、何とか席に着いてホッと息を吐く。と、
?
「人、多くね?」
『え?』
突然、横から声をかけられ、ビックリして声のした方に顔を向けると、男の子が笑顔でこちらを見ていた。
あれ…この顔、どっかで…?
『そうだねー。私、人混み苦手なんだー』
?
「へー、何で?」
『人混みに混ざると、すぐに迷子になるから。』
?
「ブフォッ! ちょ、なにそれ! やばすぎ!」