第6章 No.5
薄れゆく意識の中
私は 何をしているの・・・?
何故 皆 私を見て
怯えるの?
なんで?
なんで?
なんで?
町の人々が、次々に吐き出す醜い本性
呪われた子だよ!
早くこの街から出ていけ
気持ち悪い
あんたなんか、死んじゃえばいい
お前さえいなくなれば!
死ね!
呪われた 忌の子が!
その声だけが、脳裏から離れない
お父さんとお母さんは私を連れて
泣きながら 走る。
どこまでも
どごまでも、走る。
海軍は少女の能力を実験するため 少女を捕まえようと
その家族を 追っていた
だが。その途中で、母は病にかかり
この世を去った。
それからは、父が私を連れて
海軍から逃れるように
逃げた
路頭に迷ったあげく
父がついに狂ってしまった
毎日 酒に浸り
私を犯す
私を犯すとき 父はいつも泣きながら 死んだ母の名前を
哀しそうに呼ぶ
そんな毎日が、私の当たり前となった。
「んっ、あ・・・ぁん!」
ヌチュヌチュと卑猥な水音が薄暗い路地裏で響く
「ふぁ、あ・・・ぁっ アゥ」
肉壁をゴリゴリと
太く ゴツゴツした指がユキの中で動く
最初は1本
次第に増えていく指
ドンドン激しく 暴れ回る指
快楽と悲しみだけが、少女を長い長い夜へと誘う。
そして、私は 1人になった。
独りぼっちになった。
朝目覚めると 父は
血の海を作り倒れていた。
頭を銃で撃ち抜かれていた
でも、少女は涙を流さなかった。
泣きたくなかったのではない
泣けなかったのだ。
どんどん 人としての感情が、なくなっていた。
笑顔さえ見せなくなってしまった。
少女はどんな事に動じなく、
いつも、無表情だった。
そう、彼らと会うまでは。