第5章 【オメガバース】 月島 影山 菅原
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「&¥@ちゃんが鬼だー!逃げろー!」
「£$*#**君待って〜〜!!!!」
「――そっちはどう。元気にしてる?」
「おう。相変わらず、日向は馬鹿だし、ああ、あと、月島は頭いい大学行ってスポーツ医療学?みたいなのやってる。山口は栄養のほう。おまえは?」
「日向の扱いどうにかしなさいよ。……見ての通りこのザマよ、随分ガタがきているみたい。研究に明け暮れすぎたみたいね、わたしの私利私欲のためだったから、別に良かったけれど。あ、私利私欲ってわかる?」
「お前も俺の扱いをどうにかしろよ。俺だってもう大学卒業して立派な大人だぞ。お前だって、随分とすげえ奴になったじゃねえか。自分のためにやったんじゃないだろ。お前のしたことはこれからの人間はお前に感謝するぞ」
「……なら、いいけれど。いい?わたしはわたしのためにこの研究をしたの。結局貴方は結婚してるわ、子供は連れてくるわで逆に吹っ切れたわ。体が壊れてもやり続けるわよ」
「おい、やめろよ、そんなことしたら……」
「彼女が悲しむ。そんなこと言わないで。わたしがあの子と貴方にしたことを忘れたの?」
「でも」
「まあわたしにこんなことを言う資格なんてないね。最善がなんだったのかなんて今でも知らない。けれどわたしはここまできたからやるわ。それで、貴方とももう会わない。もう会えない」
「そんなこと言うな! あいつらは……」
「お願い」
「……」
「次会うときは」
「……?」
「――あなたと恋ができるわたしがいい」
オメガバース 影山編 -end-