第19章 Class11.本当はピュア(’-’*)の巻
「きょうちゃん、土曜日うち来ない?英語教えてほしいんだ。」
学校からの帰り道、気まずさもまぁまぁなくなった頃健がきょうこに提案する。
「でも、ご家族いるでしょ?」
「皆旅行に行くんだ。おれはテスト近いから置いてきぼり。」
本当はきょうこを誘いたいがために断った。
きょうこはその言葉に足を止める。
「泊まりにおいでよ…」
健が勇気を振り絞って言う。
きょうこはただ黙って俯いたまま。
「何もしないからっ!一緒に勉強するだけ!」
きょうこは戸惑っている。
「あ。ごめん!イヤなら無理に来なくてもい…」
「わかった。」
「え?」
「いいよ。」
「ほんとっ!?」
「うん。勉強するだけだからね!」
「うん♪」
健はきょうこの隣でスキップし始めた。
そして週末、約束通りきょうこは健の家に泊まりに行った。
ももこはあれ以来、週末になると博の部屋に泊まりに行っていた。
「テスト終わったら卒業式まで学校殆ど休みになるから、バイトと自学に通うことにしたよ。」
「自学?」
「自動車学校。」
「そうなんだ。じゃああんまり会えないね…」
寂しそうに呟くももこの肩を博が抱く。
「そんなことないよ。好きな時に来ていいから。」
そう言って博はももこに部屋の合鍵を渡す。
「俺がバイトとかで留守でも、勝手に上がっていいから。」
そう言って博はももこの頭を優しく撫でてくれた。