第15章 Class9.聖なる夜に★の巻
「明明後日から冬休みだね。」
「皆お正月は何すんの?」
「ケンケン達は温泉旅行でしょ?」
「いいな温泉。俺達も行こっか。」
博が優しくももこに微笑みかけた。
「でもセンパイ、受験でそれどころじゃないんじゃ…」
「あれ?言ってなかったっけ?俺進路決まったよ。専門学校。」
「えっ!?レーサーになるんじゃなかったんですか?」
「それは止めたんだ。」
「どうして!?」
「ももちゃんの夢って何だっけ?」
「あたしの夢ですか?フルート教室を開くことと、カフェを開いてそこで演奏することですけど、それが何か?」
「その店、俺が造るよ。」
「え?」
「飲食店で働いて勉強して、いつか自分の店を持ちたい。だから、そこでももちゃんが演奏したらいいよ。いつになるかわかんないけどね。」
「けっ!遠回しにプロポーズかよ。」
剛が不機嫌になる。
「それまで続くかな。」
「ごおちゃんっ!」
「だってそんな先のことまでわかんないじゃんか。」
「わかるよ。俺にはわかる。もし俺達が別れることがあったとすればそれは、俺がももちゃんにフラれた時だ。」
「おー!」
「ヒュ~!」
「そんなこと絶対ありません!」
「ね?だからわかるって言ったでしょ?」
「結局見せつけたかっただけかよ!」
「ごおちゃんは?」
「え?」
「将来どうしたいの?」