第7章 巻き込まれた(?)GW
私達は、少し開けた場所を見つけ、おじさんを中心にして輪を描くように草の上に座った。
おじさんの話す梅若丸の伝説は、原作に書かれていた通りの話しだった。
話しを聞いても現実味が沸かない。
でも、この話しに出て来る梅若丸が、牛鬼としてこの山の山頂に居る。
そう考えるとなんだか胸に不安みたいなものが広がった。
いや、怖がる必要なんて無い。
牛鬼には会わない。
妖怪に襲われても、霊符と数珠がある!
と、おじさんの話しを聞き終えた皆は、何でも無さそうに話し出した。
「なぁんだ、意外にありがちな昔話じゃん」
「良くある、妖怪伝説っぽいですね……」
「昔話って大体が大袈裟に伝えてるしねー」
「フィクションっすよ」
皆の会話を聞いていたおじさんは、突然黒ブチ眼鏡を光らせながら立ち上がった。
「君達…。信じてないよーだね」
「だって、昔話でしょ?」
「ねーっ」
そんな私達におじさんは、コイコイ、と手招きをした。
「それなら、君達に証拠を見せてあげよう~」
証拠?
なんだったっけ?
私は首を傾げた。