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【ぬらりひょんの孫】転生は大変です

第7章 巻き込まれた(?)GW


どのくらい登っただろう?
1時間くらい登り続けても、まだ上へと階段は続いていた。
昔の人がこの階段造ったんだろうけど、すごいなー……
何千段あるんだろ?

私は、疲労感にはふっと息を吐いた。
と、前を歩いていた巻さんと鳥居さんは限界が来たらしく、不満の声を上げた。

「ちょっとぉー、この階段どこまで続くのよーっ! ずっと山だしっ! 自動販売機どこよー!」
「足痛い――っ!」
「清継、ジュースー!」

そんな巻さんと鳥居さんに先頭を行く清継君は振り返った。

「君達! 当り前の事じゃないか! これも修行だよ、修行! ボクが主に会う為のね!」
「主なんてどーでもいー! つーか、どこまで登んのよ!」

巻さんの言葉に、清継君は周りを見渡し、ふむと顎に手を当て、地図を取り出した。

「待ち合わせの場所は、山の中腹にある『梅若丸のほこら』なんだけどね…」

見当たらないな、と再び清継君は周りを見回した。
と、清継君の後ろに居たゆらちゃんが、右側に目をやると何かに気付いたように声を上げ指差す。

「あ…、なんやろ、あれ?」
ん?

私もつられて右側を見た。木々の間に薄い靄が漂っている。
そして、指差された先を良くみるとそこには、小さな石造りのほこらがあった。
中に何かを祀っているようだが、良く判らない。
その祠の横に細い岩が立っていた。
何か文字が彫られているようだが、これも良く判らない。

ほこらの由来でも書いてる?

そう思っていると、ゆらちゃんが「ちょっと見てきます」と言い動いた。
雑草を踏みわけながら、木々の間に足を踏み入れる。
清継君も「アクティブな陰陽師だね!」と言いつつ、ゆらちゃんの後を付いて行く。
そんな中、少し前方に居た奴良リクオ君が、「梅若丸のほこらって書いてるよ」と言い放った。
おお! すごく目がいいんだー、と感心していると隣に居たカナちゃんが怪訝そうな声音で、奴良リクオ君の名前を呟いた。

「リクオ君。皆より目が良いのに、なんでメガネなんてかけてるんだろ…?」
「さあ?」

私はそう答えるしか無かった。
だって、原作でその理由を軽く知っていても本人じゃないから、上手く説明できない。
すると、祠の傍に行った清継君の喜びに溢れた声が、辺りに響き渡った。

「やったぁ! やったぞ! ここが梅若丸の祠だー!」
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