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【ぬらりひょんの孫】転生は大変です

第5章 恐怖の人形とご対面


その単語の意味を考えていると、絹を引き裂くようなカナちゃんの悲鳴が上がった。

どしたの!? カナちゃん!!

バッとカナちゃんの声がした方向を見ると、頭や胴体にお札を付けたままの日本人形が、カナちゃんに襲いかかっていた。
と、「滅っ」と言う気合いの入った声と共に数枚のお札が、日本人形に向かって飛んで行く。
そのお札が人形に当ったとたん、日本人形は粉々に爆砕した。
それは、あっと言う間の出来事だった。
「もういやー」とその場にへたり込むカナちゃん。
もう安全だと思って、人形の近くに居たらしい。

判る。その気持ち、判るよ。カナちゃん。

そう思いつつ、カナちゃんに手を貸し、立ち上がらせる。
そんな私達の後ろで、清継君は花開院ゆらちゃんを巻きこんで、「清十字怪奇探偵団、ここから本格的に始動だーっ」と叫んでいた。
て、言うか、何時の間に私、団員に組み入れられたんだろ?
本当に謎だ。


騒ぎが収まったあと、清継君にお茶を飲んで行きたまえ、と勧められたが、あまり帰りが遅くなると、門限がもっと短くなる事請け合いなので、丁寧に辞退させて貰った。
因みに、先日のお泊り事件の後、門限が18時までと決まってしまったのだ。
まあ、原因は日が暮れるまでお喋りしてて、妖怪に襲われたのだから、仕方が無いと言えば仕方がない。
奴良リクオ君やカナちゃんも私に続くように帰宅の旨を告げ、浮世絵町駅まで一緒に帰った。

そして、私は自分の部屋に着くと、制服のままベッドに腰かけ、肩掛けカバンから数珠と霊符を取り出した。
驚いた事に、1枚の霊符が焼け焦げていた。
なんで? と思いつつも、電車の中での会話を思い出す。
そう。電車の中ではじめて氷麗ちゃんに声を掛けられたのだ。

「あの」
「わっ、は、はい?」

私は、はじめて氷麗ちゃんが声を掛けてくれたので、なんだか感動していた。
そして、なにかな!? と次の言葉を待っていたら、不思議な事を聞かれた。

「あなたもそうなの?」
「そうって?」
「お、お、陰陽師よ」

その声はすごく震えていた。顔色も良くみたら青くなっている。

「いやいや、そんなもんじゃないよ。私が陰陽師だったら、花開院さんより先にババッとやっつけてるよ?」
「そうなの?」
「うん!」

自信を持って答えると、氷麗ちゃんはあらかさまにほうっと息をついた。
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