第4章 夜若との遭遇
そこから器用にも布団や敷布を取り出し、部屋の中央にひいていく。
そして、最後に枕元に白い夜着を置いた。
鴉天狗は額を拭う仕草をすると、ペコリとまた一礼された。
「それでは、何か用事があれば呼んで下され」
「え、あ……はい…」
行っちゃう……モフモフ……
残念に思いながらも私は鴉天狗を見送った。
しかし、布団の中に入ってもなかなか寝付けなかった。
翌日。ピピピピピッというくぐもったアラームの音で目が覚める。
自動設定で毎朝鳴るようにしている携帯のアラームだ。
あー……、いつの間にか眠っちゃったんだ……
私って、結構、図太い…?
目を擦りながらもアラームを止めるべくカバンの中から携帯を取り出し開けると、着信履歴がすごい事になっていた。
うわーっ! 全部、家からの電話ーー!?
そう言えば、携帯の存在すっかり忘れてて、連絡してなかったー!
私は一気に顔から血が引く感覚を覚える。
どうしよ、どうしよ!
お母さんにすごくきつく怒られるー!
いや、心配症のお母さんの事。もしかしたら、警察沙汰になってるかも!?!?
私は慌てて家へ電話をかけた。