第10章 期末テストなんてあるんだね
夜の散歩という言葉に、原作を思い出す。
そう言えばリクオ君は、四国との戦いの後、夜の散歩という名目のパトロールを毎晩始めていた。
毎晩遅くまでパトロールをしているので、翌日はきつかったはず。
私は壁に掛けているファンシー柄の壁掛け時計を見た。
22時だ。
「リクオ君、この後まだ夜の散歩続けるの?」
リクオ君は私の脇をすり抜け、ベッドに座ると私が今まで頭を埋めていた漫画を手にし、私に向き直った。
「当り前じゃねぇか。夜はオレ達妖の時間だぜ? それよか、この手の本が好きなのかい?」
「うん。少女漫画より、す、好き」
意味合いが違うのに、『好き』と言う言葉を面と言うのが、恥ずかしい!
「ふーん。じゃあ、オレも読んでみるか」
そう言いながら、懐に漫画を入れて行くリクオ君。
と、ふいにリクオ君は私と視線を合わせた。
「で、オレは、なんで舞香のお袋さんに嫌われてんだい?」
「はえ?」