第1章 真央霊術院
この人は本心で言ってるわけではない。
震える声を聞きながら、相手の瞳を見つめながらそう思っ
た。─直感でそう思ったんだ。
「本心じゃないですよね、きっと。貴方は自分を、誰かを
護るために嘘をついている」
そう呟けば急に視界が暗くなる。
瞼には暖かい人の温もり。
大きな手だなぁとこんな状況ながら思う。
『っ煩い!!嘘などついてはいない・・!』
泣いているのかまた声が震えている。
私は手を伸ばし彼を抱きしめる。
「貴方が誰かを護るなら、私が貴方を護りますから。」
そういって笑えば、大きな手を離してくれた。
『すまん!』
そう大きな声で私に謝りながら─