第6章 苦手意識
だけど、その顔は何故かニヤニヤしていて…
梨沙
『どうしたの? そんなニヤニヤして。』
万美
「いや~仲が良いなーと思って。ね、光紀!」
光紀
「…だな。」
ニヤニヤする二人を横目に、ふと視線を手元に向ける。
……………………ふぉ?
梨沙
(ふぉ? ってなによ! …じゃなくて! …へ?)
そこには私の手と圭太の手がしっかり絡まっていて。
それで分かった。この人達がニヤついていた訳を。
恥ずかしくなった私は、すぐに繋がれていた圭太の手を離した。
梨沙
『ご、ごめん!』
圭太
「……別に。」
圭太は特に気にする事も無く、自分の席に着いた。
梨沙
(びびび、びっくりしたぁ…そっか、私 さっき圭太に手を引かれて…)
圭太に握られていた手を見つめる。
梨沙
(まだ、手に温もりが残ってる…)
まだ温もりが残りつつある手を方片方の手で握り締める。
万美
「梨沙ー? どうしたのー?」
梨沙
『ううん! 何でもない!』