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両片想い

第5章 俺も一緒に!!


教室に向かう中。
何なの? この微妙な空気は。

圭太は未だにぶすっとした顔で歩いてるし、光紀くんは、さっきから何度も溜息を吐いている。
そして…

梨沙
『ね、ねぇ? 真樹斗、何でここに居るの? ここは2年生の階だよ? 1年生は』

真樹斗
「知ってる。」

何故か私達の後ろを付いてきている真樹斗。
うーん…何で付いてきてるんだろう?

女子
「キャー♡圭太くんよ!」

女子
「今日も格好いいわぁ♡」

女子
「あ、光紀くんも居る!」

女子
「二人が揃うと、ほんと絵になるわぁ…♡」

さっきの事があって教室に向かうのが遅くなった私達の前には、いつもより多い数の女子達が圭太と光紀君を見て、目をハートにしていた。

そして今日も私は女子からの鋭い視線に耐える。

真樹斗
「へぇ~…黒兄も先輩も、モテるんだ。」

静かに、真樹斗が口を開いた。

梨沙
『うん。二人とも、学校で有名なんだよ。』

真樹斗
「大変だね~」

人事に物を言う真樹斗。

梨沙
(あれ? 真樹斗ってこんな感じだったっけ…?)

昨日とは打って変わって雰囲気の違う真樹斗に首を傾げる。

梨沙
(でも、高校生にもなれば雰囲気ぐらい変わるよね。)

私は特に気にする事もなく、女子の視線に耐えながら足を進めた。
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