第5章 俺も一緒に!!
早耶
『と、とりあえずさ、離れてくれない?』
流石の私でも、この状況はあまり良い状況じゃない。
何てったって、目の前には私の好きな人が居るのだから。
なのに、その好きな人の前で別の男に抱きつかれているのを見られるのは良い気分じゃない。
真樹斗
「え~やだ。」
即答する真樹斗に、溜息が出る。
圭太
「おい。早耶が嫌がってんだろ、離せよ」
真樹斗
「無理。」
圭太
「お前、いい加減に」
光紀
「はいはいはい! もういいだろ?! 二人とも離れた離れた!」
痺れを切らした光紀くんが二人を強引に引き剥がした。
真樹斗
「また邪魔すんのかよ。」
真樹斗は低い声でそう言うと、光紀君を睨み付けた。光紀君も、眉間に皺を寄せて真樹斗を睨む。
梨沙
『ちょっと! 二人とも、いい加減にして!』
流石にこの雰囲気に耐えられなくなった私は二人の間に割って入った。
梨沙
『もう良いから。教室に行こう?』
そう言うと二人は渋々といった感じで了承した。