第4章 お向かいさん。
梨沙
『え? うん、そうだけど…』
圭太
「窓、開いてんの?」
梨沙
『窓は、いつも鍵かけてないから、いつでも戻れるの!』
圭太
「無用心だなー」
梨沙
『別に大丈夫だよー』
そう言って梨沙は笑う。
いや、俺が無用心って言ったのはそう言う意味じゃねぇんだけど…
梨沙
『んじゃ、帰るねー』
圭太
「おぅ。」
そう言って梨沙は自分の部屋に戻って行った。
アイツ、いつも窓の鍵開けたまんまだったのかよ…
まぁ別に入るような理由はねぇし、入りたいってのも無いけど、そこまで無用心だと正直呆れる。
まぁ、もしも誰かが侵入したってなったら俺しかいねぇだろうけど。
圭太
「はぁ…」
こんなに近い存在に居るのに、何処か遠い存在にも思える。
もしも俺がこの気持ちを伝えたら、お前との距離は近づくのだろうか。それとも余計、俺から離れていってしまうのだろうか…
圭太
(俺って本当、意気地ないよな…)
俺はベッドに寝転がり、天井を見つめた。