第3章 真樹斗の存在
ー梨沙sideー
あ~びっくりした…
目が覚めて最初に目に入ったのは、圭太の整った顔だった。
眉毛は左右綺麗に整えられていて、目の瞳は大きく、くっきりとした二重だ。
睫毛も長くて、鼻は筋が通っていて高く、少し薄い唇は圭太にぴったりだ。
圭太の真っ黒な髪と目に良く似合う、両耳に付いた銀色のピアス。
痛くないのかなって思うけど、当の本人は全然らしい。
だけど、流石に部活の時は外している。
マネージャーが私だけなのは、圭太が空手部に入部した途端、マネージャー希望が増えたからだ。
私は元々マネージャー希望だったし、圭太も『コイツは俺の幼馴染みだから、一番安全だ。』って言っていた。
その言葉に、部活中も傍に居られるんだって言う嬉しさと、『安全だ。』って言う言葉に少しだけ寂しさを感じながらも、私のマネージャーとしての入部が決定した。
梨沙
『何か無いかな…』
本当にお腹が空いていた私は、勝手に冷蔵庫を漁る。
圭太が私の家に来る時も勝手に漁るから、お互い様なんだけど、圭太はあまり家に来ない。
来る?って誘ったら来るけど、いきなり家にやって来た事は今まで一度もない。