第2章 学年一のモテモテ王子
はぁぁ。と、大きく溜め息を吐いた後、光紀は俺にこう言った。
光紀
「仕方ねぇから、教えてやるよ。」
圭太
「何で、そんな上から目線なんだよ。」
光紀
「俺が言ってる色々ってのは、あぁ言う事だよ。」
そう言った光紀は指を指した。その指された方を見てみると、明らかに鼻の下を伸ばした男子が、梨沙と喋っている。
梨沙は、そんな事に全然気づかず、その男子と喋っている。
光紀
「な? 色々と、やべーだろ?」
光紀が振り返って俺の顔を見る。
光紀
「…早く、自分の気持ちを伝えた方が良いんじゃねーの?」
そう言った光紀は、苦笑を浮かべた。
分かってるよ。そんな事くらい。分かってるけど…
圭太
「分かってるよ。けど、もしも、自分の気持ちを伝えて、今の関係が壊れたらって考えると…怖いんだよ。」
光紀
「お前…」
それを聞いた光紀は、然程驚いたのか、目を見開いた後、下を向いて、小刻みに震えだした。
圭太
「…光紀?」
不思議に思い、恐る恐る光紀の肩に手を置こうとした瞬間…